国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)は、社会技術研究開発センターが推進する社会技術研究開発事業において2022年度の新規採択プロジェクトを決定し、教育学部・加納圭教授の研究開発プロジェクトが採択されました。
社会技術研究開発は現存する社会問題解決や将来起こりうる社会問題への対処などを通して、新たな社会的・公共的価値の創出を目指す事業です。
今回は、4つのプログラムへの募集があり、「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム」において加納教授の研究開発プロジェクト「教育データ利活用EdTech(エドテック)のELSI対応方策の確立とRRI実践」が採択されました。
大阪大学、埼玉大学など他大学の研究者らの参画もあります。本学教育学部の藤村祐子准教授も参画しています。
「社会技術研究開発事業における2022年度新規採択プロジェクトの決定について」はこちら
加納教授のプロジェクト概要は下記の通りです。
教育データを利活用するEdTech (Educational Technology、エドテック) は、社会実装が進んでいる米国などとともに、日本においても教育データ利活用ロードマップが策定され、EdTechの推進基盤が構築されつつある。しかし、EdTechに内包される科学技術は、能力測定や評価のデジタル化、個別最適学習のための分析、顔認識や感情・集中力・悩みの内部測定など、成熟したものから萌芽的なものまで広範にわたる。また、各国・地域の社会や文化における教育・学びの在り方の多様性や、教育が憲法・法的な基盤を持つことも特徴的である。
本プロジェクトでは、法規範原理、法規範準則、文化的背景の3つのカテゴリーの分析枠組みを主軸として、EdTech先進国のケーススタディや、学術的・根源的問いの探究を行い、ELSI対応方策の提言を行う。これからの日本社会における教育データ利活用EdTechのELSIを予見的に探索しながら、多様なステークホルダーと協働し、RRIの実践的検討にも取り組む。
すでに小冊子「EdTechのELSI論点101」(2022年)をまとめてウェブ公開(https://bit.ly/3p2fi9E)している。
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広報課