2025/11/6
研究成果 教育 全対象

教育学部・芦谷道子教授が英国と連携し「子どもマインドフルネスプロジェクト」を推進

 教育学部芦谷道子教授は、英国のMiSP(Mindfulness in Schools Project)、オックスフォード大学、関西医科大学などと連携し、2020年より「子どもマインドフルネスプロジェクト」に取り組んでいます。

 このプロジェクトでは、MiSPが開発した中高生向けマインドフルネス・プログラム「.b(ドットビー)」および10~14歳対象の「.breathe(ドットブリーズ)」の日本語版資料の翻訳・作成、指導者の養成、普及活動を行っています。プログラムでは、注意力や思考のコントロールを通じて「今ここ」に意識を向け、心理的健康の増進やパフォーマンスの向上を目指します。

 また今年度も、英国と日本をオンラインでつなぎ、指導者養成の集中ワークショップを継続開催しました。6月には4日間の「Teach .breathe」、8月には1日の「Teach .b」を実施しました。全国から学校教員、教育関係者、心理士、医師などが参加し、これまでに125人の.b Teacher、60人の.breathe Teacherが誕生しています。現在、複数の現場での介入効果の分析も進行中です。

 さらに昨年度からは、不登校や発達障害、心身症などのケアを必要とする子どもたちへの介入研究も開始しました。今年度からは、子どもに関わる親や教師を対象とした「親と教師のための.bプロジェクト」もスタートしました。全国から公募した98人を対象に、6月から11月にかけてランダム化比較試験を実施しました。「子どもの問題行動に穏やかに対応できるようになった」「イライラしなくなった」「眠れるようになった」「幸せはなるものではなく、感じ取るものだと実感できた」など、ポジティブなフィードバックが多数寄せられています。今後は、介入効果の評価を通じて、子どもたちとその周囲の環境全体へのマインドフルネスの普及を目指します。

 本プロジェクトは、日本学術振興会科学研究費助成事業の支援を受けて実施されています。

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総務課企画・広報室

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