経済学部では、グローバル社会における諸問題を理解し、異なる価値観や主張を整理・分析できる人材の育成を目的として、「国際文化システム特殊講義」を開講しています。本講義では、国際社会の現場で活躍された講師を招き、体験に基づいた講義を通じて、国際情勢への理解と異文化への関心を深めることを目指しています。
10月17日には、元アンゴラ大使・北マケドニア大使を務めた澤田洋典氏を講師に迎え、「グローバリゼーションと人の移動」をテーマに講義が行われました。澤田氏は、歴史・経済・社会・地域交流の各視点から、具体的な国や地域の事例を交えながら、多文化共生の課題と可能性について多角的に解説しました。
講義は外来語の話題から始まり、移民政策や地方の国際交流へと展開しました。熊本県玉名市の事例を紹介し、国際共生が地方でも可能であることを示されました。また、日本の移民政策の曖昧さや、言語・教育・労働環境など外国人との共生における課題についても具体的に提示され、学生が主体的に考える契機となりました。
澤田氏は、グローバリゼーションを単なる経済現象としてではなく、「人の移動」「文化の交流」「社会統合」という観点から捉える重要性を強調しました。豊富な事例とデータを用いて、世界の現状と日本の課題を対比しながら、「共に生きる社会」の実現に向けた理解と想像力の必要性を学生に訴えました。

講義を行う澤田洋典氏

講義の様子
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