2023/9/1
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教育学部・加納圭教授とゼミ学生によるNational Science Weekでのワークショップ実施報告

 教育学部・加納圭教授は、共同研究を行っているオーストラリア国立大学・科学意識向上センター(ANU・CPAS)のGraham Walker博士とともに、オーストラリアで8月12日から20日に開催されたNational Science Weekでワークショップ「スーパーボールすくいで大実験」を実施しました。

 このワークショップは「柿渋」を使った日本の伝統的な防水技術を体験し、そのふしぎを教科横断的に探究していくSTEAM教育プログラムです。キャンベラの各地の図書館と科学館で全9回開催され、56家族、102人の子ども達が参加し盛況を博しました。英語吹き替え版の進行ビデオが作成され、ビデオに出演したゼミ3回生の金城璃咲さんと中島和瑚さんは、加納教授と共にオーストラリアでのワークショップにも参加し、ワークショップを盛り上げました。

 

 

ワークショップの様子

 

◆金城璃咲さんのコメント

 オーストラリアでのワークショップ実施は言語や文化の違いによる難しさを感じながらも、何度も実施する中でどうすればより興味を持ってもらえるのか、アイデアを自由に考えられるのかなど小さな工夫をするよう心がけたことで、ワークショップのクオリティを向上させていけたように思います。

 工夫として例えば、ワークショップの動画内で出てくる液体の正体を考えるクイズに興味を持って積極的に参加してもらうために、実際にその液体を見せるだけでなく匂ってもらうことで、正体がますます気になってさらに考察しようとする子どもの様子が見られました。

 また、日本ではファシリテーターが積極的に子どもたちに意見を尋ねて考えを聞き出す必要があったのに対し、オーストラリアでは自ら進んで発言を行う子どもたちが多かったことから、子どもの近くに行って発言を拾うよう意識しました。このようにオーストラリアでの実施を通して、その場にいる子どもに合わせたファシリテーションの工夫の必要性を感じました。

 今回の経験から得た学びを通して、これからも理科教育のあり方についてより広い視野を持って、小さな工夫を心がけてながら深く柔軟に考えていきたいです。

 

◆中島和瑚さんのコメント

 英語でのWS(ワークショップ)は大変でしたが、回を重ねるごとに子どもたちとうまくコミュニケーションができるようになりました。WS中に、柿渋を使った発明アイデアを考えづらい子がいることから実際に柿渋のグッズを使ってみせイメージしやすいようにと改善していきました。困っている子に話しかけて一緒に考える手伝いをしたり、ちゃんと聞いて欲しいところは呼びかけたりと子どもたちへのアプローチも練り直し、WSの目標達成に向けて尽力しました。

 National Science Week期間中にあった「Pollination & Seeds」と「Reef UP!」の2つのWSも見学しました。それらに参加している子どもたちは楽しくアクティブに学んでおり、社会全体が次世代の科学への関心や環境への問題意識を積極的に育てていることを感じ、私自身も実りのある経験となりました。

 また、WSにはオージーだけでなく、日本にルーツを持つ子どもたちもたくさん参加してくれました。日本の伝統科学技術に触れることを通じて、彼らが自分たちのルーツに対する愛着を育み、同時に科学に興味を持ってくれると嬉しいです。

 今回は、Libraries ACT、Questaconのスタッフの皆様、参加者の皆様などの熱心なご協力があってWSを行うことができました。彼ら/彼女らのあたたかい姿勢に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

【お問い合わせ先】

広報課

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