1.地域学への着目

 「地域創生」がわが国において重大な課題となっている中、2014年に地方創生の理念を示す「まち・ひと・しごと創生法」が制定された。さらに、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が定められ、現在、様々な施策が展開されている。
 こうした動向の中で、「大学」は、「地方創生」に対してどういう役割が果たせるのか。社会連携センターでは、これまでの人材育成に関わる研究成果を生かし、大津市教育委員会との共同研究の中で、地域づくりの担い手を育てるシステムづくりを行ってきた。その際に注目したのが「地域学」である。センターでは、住民一人ひとりが学びを通じて、地域の良さを発見し、そして再評価していくことができる「地域学」の構築を通して、住民一人ひとりの心の中に、自分の住む地域に対しての愛着と誇りを育て、それを地域での活動につなげようと考えたのである。

2.大津市民のおおつについての学びに関する調査

 センターでは、大津市民の地域に対する思いや地域についての学びの実態等を把握するために、平成24年に大津市教育委員会との共同で、「大津市民の”おおつ”についての学びに関する調査」を実施した。この調査は、人々を具体的な地域づくりへと向かわせるためには、地域に関する知識を提供するだけではなく、互いに学びあう中で人間関係を深めていくことが重要であること等、地域学の構築の際の有用な情報を提供した。

              

3.「おおつ学」の実践

 上記の調査結果を基に、センター教員を含む大津市の社会教育委員の会議の中で地域学の仕組みについて検討が行われ、平成27年に「おおつ学」として開校した。
 「おおつ学」は大きく「基礎講座」と「実践講座」から成り立つ。「基礎講座」では、大津に関わるあらゆる分野の学びを1冊の情報誌にまとめて市民に提供し、「実践講座」では、体験活動やワークショップ等を通して、市民が活動をする際に必要なノウハウの提供や仲間づくりを行うことにした。2つの講座を通じて、地域に愛着を持つ人の裾野を広げつつ、地域の担い手の育成を行おうというのが、「おおつ学」のコンセプトである。
 現在、「おおつ学」の修了者を中心とした「おおつ人倶楽部」も結成され、市民レベルでの地域活性化性化の取り組みが少しずつ広がりを見せ始めている。