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2018年度プログラム(後期)

自治体改革の最前線

趣旨  「明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革」と称された2000年地方分権改革が「未完の改革」に終わり、明治以来続いてきた中央集権的で行政権優位の思考は、揺らぐことなく維持され、むしろ強まった感がある。そんななか、多くの自治体で予算執行や会計処理の不適正がみられると会計検査院から指摘され、自治体のガバナンスに問題があるとされた。この問題の背景には、2000年改革でもその後の改革でも「財政権の地方分権」あるいは「財政の自治の拡大」が手つかずに終わったことにこそ問題があると指摘されなければならないと考えられるが、中央政府からは、自治体に内部統制制度の整備と監査制度の充実強化が求められ、そのための地方自治法の改正も行われたところである。
 自治体のガバナンスに関わる問題が起きる根底には、中央・地方を通じた行政権の自己本位のクローズドな体質があり、この体質を民主主義憲法下に相応しい住民本位のオープンなものに転換することなしには、問題の根本的解決には至らない。自治体のガバナンス強化は、中央政府から求められるのではなく、住民自治の力によって成し遂げられるのが本筋である。そのためには、住民の代表であり、民主主義の装置である議会が主導権を発揮し、自治体版の法治行政の原理を確立する必要がある。
 日本国憲法には地方分権的な精神がある。各自治体は、この憲法のもと、住民福祉の増進のために独自の政策の必要性があれば、先駆的に自己決定権を行使することができるはずである。
 シリーズ「自治体改革の最前線」では、自治体の民主主義の発展に欠かすことのできない重要なテーマを取り上げ、それぞれ先進的な改革に取り組んでいる自治体の実例を紹介する。自治体職員の受講者にあっては、自らの自治体で実践する際に、大いに参考となるはずである。
スケジュール いずれも 18:20 ~ 20:20
【政策研究】
1.平成30年 10月19日(金) 
「自治体法務改革の先駆的思考 ~自治体の立法権と国の立法権とは対等協力の関係である」
2.平成30年 11月30日(金) 
「自治体の議会改革が政治行政の形を変える ~議員提案条例が民主主義を蘇生させる」
 ゲストスピーカー:大津市議会局次長 清水克士 氏
3.平成30年 12月21日(金) 
「自治体の内部統制制度の構築がはじまる ~目的を明確にしてPDCAサイクルを回す」
 ゲストスピーカー:湖南市長 谷畑英吾 氏
4.平成30年 1月18日(金) 
「自治体における生活困窮者支援について 〜生活再建型滞納整理を踏まえて」
 ゲストスピーカー:野洲市市民生活相談課長 生水裕美 氏
5.平成30年 2月15日(金) 
「自治体の公文書のあり方を法制化する ~公文書の作成と公開は民主主義の基礎」
6.平成30年 3月15日(金) 
「自治体の財務会計を見える化する ~自治体公会計改革のゆくえと財政の健全化」
 ゲストスピーカー:元習志野市会計管理者 宮澤正泰 氏
場所 滋賀大学 大津サテライトプラザ(JR大津駅前 日本生命大津ビル4F)

 

これまでのプログラム

年度 プログラム
2003 ニューパブリックマネジメント
2004 事業革新の眼を鍛える
2005 事業革新のケースから学ぶ
2006 「事業仕分・地域事業組成」を考える
2007 地域組織・地域事業を組成する -事業仕分け・地域事業組成から考える-
2008 市民ガバメントの設計 -市民が自治体を経営するために-
2009 国のかたち・自治体のすがた -道州制・県と市町の役割分担を考える-
2010 今こそ自治体歳入改革
2011 アグリビジネス地域経営論 -農林業を興す-
2012 「福祉自治体の設計理念」-持続可能な自治体福祉政策を考える-
2013 「都市計画の疑問」-成熟社会の都市農村計画行政の視座-
2014 自治体のエネルギー自立化戦略を考える
2015 地域からの地方創生論―人材、資金を地方で使いこなすために―
2016 地域分権社会の地方自治の論点-憲法改正を睨んで-
2017 地域からの2020年教育改革を考える
2018 【前期】滋賀の観光イノベーションを考える