2021年度プログラム(後期)

「議会制民主主義のあり方を改めて考える」受講生募集中!(締切10月22日(金))

趣旨

 昨今の一部外国における専制的な政治が横行しているのを見るにつけ、民主主義の国家の国民であったことに安堵する日々です。民主主義の根幹が住民や国民の代表者で構成する「議会」にあることを、改めて考えさせられる出来事でもあります。
 国民主権を人類普遍の原理とし、三権分立を国家(政府)の基本構造とする、日本国憲法は、国会を国権の最高機関と位置づけています。国会こそが主権者国民を代表する民主主義の装置であるからです。国会には、公共政策を国民の意思の合致として法律の形にまとめて決定する(立法する)ことができる権能があります。行政府は、「法律による行政の原理」に則って、その法律を法律の定めるところに従って執行する立場です。立法府である国会が行政府よりも優位に立って民主的統制を及ぼす関係にあります。これが、日本国憲法が描く「議会制民主主義」の形です。このことは、二元代表制の自治体の議会と首長の関係にも、基本的にあてはまることです。
 ところが、「憲法変われど行政変わらず」の言葉が表しているように、今日に至っても、君主主権の明治憲法下で成立していた「行政府の優位」のしきたりが、なお存続しているかのような運営がなされることがあります。特に自治体では、議会の権能を縮減的に考える傾向が根強く、自治体職員の間では、住民の行政サービスを受ける権利に関わることであり議会が条例で定めることが適切なことであっても、行政権の内規である要綱の定めで済ませることが普通のこととして行われています。
 ここには、多様な利害を有する住民の間の利害調整を行って政策や条例としてまとめ上げることができるのは、その多様な利害を代表する多数の議員が意見をぶつけ合って合致点としての全体最適を導き出すことのできる議会でしか成し得ないことが、忘れられているようです。議会の側にあっても、多数決を優先し、より多様な住民意思を取り込んで全体最適を導き出すという視点に欠けるような運営も見受けられます。
 2021年度後期のイブニングスクールでは、こうしたことを踏まえ、主権者の一員として、議会制民主主義について改めて考える機会を提供しようとするものです。なお、新型コロナウイルス感染症対策に万全を図るとともに、オンライン(Zoom)での参加も可能とします。感染拡大の状況によっては、完全オンライン形式で開催します。

場所

滋賀大学大津サテライトプラザ(JR大津駅前 日本生命大津ビル4F)、オンライン(Zoom)

定員

25名

受講料

3,000円 ※受講許可後、請求書を送付します。

講師

[主査]提中 富和(滋賀大学 産学公連携推進機構プロジェクトアドバイザー)
2014年3月大津市役所定年退職。在職中から、自治体政策法務の浸透・発展をライフワークとし、自治体職員研修に精励するとともに、自治体職員だけでなく研究者や法曹を交えた研究会活動を主導し、全国自治体の法務能力向上のために尽力している。主な著書として、『自治体法務の最前線-現場からはじめる分権自治-』(イマジン出版)、『政策法務事典』(ぎょうせい)、『自治体職員のための政策法務入門〔第1巻・総務課の巻〕―自治基本条例をつくることになったけれど―』(第一法規)など多数。

[副査]石井 良一 (滋賀大学 名誉教授)

スケジュール

いずれも 18:20 ~ 20:00

2021年10月29日(金)「議会制民主主義のあり方を改めて考える」
提中富和 氏
2021年11月26日(金)「二元代表制と議会の役割」 
ゲストスピーカー:立命館大学法学部特任教授 駒林良則 氏
2021年12月17日(金)「首長経験者が議員の立場から見る二元代表制」
ゲストスピーカー:滋賀県議会議員・元高島市長 海東英和 氏
2022年1月28日(金)「議会制民主主義の本音と建前」
ゲストスピーカー:大津市議会局長・早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員 清水克士 氏
2022年2月25日(金)「第二議会構想について」
ゲストスピーカー:京都市職員 岡田博史 氏
2022年3月18日(金)「みんなで考えよう「議会制民主主義のあり方」」
進行:提中富和 氏

これまでのプログラム

年度プログラム
2003ニューパブリックマネジメント
2004事業革新の眼を鍛える
2005事業革新のケースから学ぶ
2006「事業仕分・地域事業組成」を考える
2007地域組織・地域事業を組成する -事業仕分け・地域事業組成から考える-
2008市民ガバメントの設計 -市民が自治体を経営するために-
2009国のかたち・自治体のすがた -道州制・県と市町の役割分担を考える-
2010今こそ自治体歳入改革
2011アグリビジネス地域経営論 -農林業を興す-
2012「福祉自治体の設計理念」-持続可能な自治体福祉政策を考える-
2013「都市計画の疑問」-成熟社会の都市農村計画行政の視座-
2014自治体のエネルギー自立化戦略を考える
2015地域からの地方創生論―人材、資金を地方で使いこなすために―
2016地域分権社会の地方自治の論点-憲法改正を睨んで-
2017地域からの2020年教育改革を考える
2018【前期】滋賀の観光イノベーションを考える
【後期】自治体改革の最前線
2019【前期】AI自治体へのシフト
【後期】共生社会を支える住民組織やNPO法人活動の最前線
2020【前期】地方創生のビジネスデザイン
【後期】国の財政・自治体の財政は大丈夫なのか?
2021【前期】ニューノーマル時代のオリンピック、スポーツ健康まちづくりを考える
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