~地域と大学で創るサスティナブルな社会:環境研究の地域拠点として~
滋賀大学は、琵琶湖・瀬田川のほとりに立地する特性から、1952年にいち早く琵琶湖の汚れに着目して湖沼研究を始めて以来、自然科学、人文・社会科学、生活科学の諸科学にわたって湖沼とその集水域に関する共同研究を進め、半世紀に及ぶ環境分野における学際的教育・研究・地域貢献活動の実績をあげてきました。
石山キャンパス(教育学部)では、1952年の湖沼研究室設置を起点に、1976年の湖沼実習施設としての省令化を経て、1995年それらに教育研究農場・研究林を加え、環境教育湖沼実習センターが設立されました。また、2000年には教育学部に環境教育課程が、2001年には大学院教育学研究科学校教育専攻に環境教育専修が設置されました。
彦根キャンパス(経済学部)では、1990~92年に当時の尾上久雄学長を研究代表とした琵琶湖保全事業の経済評価研究プロジェクト(科研費「事業評価の社会的基準」)を嚆矢とし、1994年に社会システム学科に環境経済学担当の専任教官が配置されたのを機に『滋賀大学経済学部環境フォーラム』が結成され、本格的な共同研究が始まりました。1997年には同フォーラムが企画した『琵琶湖総合開発25年を振り返る』(産業共同研究センター主催)が開催されました。
そして1997年、両キャンパス(学部)の環境分野における教育・研究の蓄積を背景に、環境・環境問題に関する具体的な課題の解決に向けた教育・研究を推進し、またそれを通じて地域社会に貢献することを目的とした学部横断的で学際的な自主的教員組織として『滋賀大学環境フォーラム』が結成されました。
こうした流れを踏まえ、環境に関する全学的な共同研究の戦略的拠点として教育・研究の内発的な要請に応えるだけでなく、これまでの経験の蓄積を継承し、それを飛躍的に発展させ社会的要請に応えるとともに、琵琶湖を有し「環境先進県」との評価の高い滋賀県に本学が立地する大学であることを考慮し、「環境の世紀」に相応しい大学として発展するための新たな枠組みとして「環境総合研究センター」が構想・設立されました。
1952年 | 学芸学部(膳所校舎)に湖沼研究室を設置(2月) |
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1955年 | 湖沼研究所と改称(10月) 学部移転により学芸学部(現教育学部)に移転 |
1968年 | 瀬田川畔に施設竣工(3月) |
1976年 | 教育学部附属湖沼実習施設として省令化(5月) |
1985年 | 瀬田川畔から施設を学部内に移転(3月) |
1990年 | 教育学部情報科学課程環境情報コース設置 「事業評価の社会的基準」(90-92年科研費、代表:尾上久雄学長) |
1994年 | 環境経済学担当教官ポスト設置 滋賀大学経済学部環境フォーラム結成 |
1995年 | 教育学部附属湖沼実習施設を環境教育湖沼実習センターに改組(4月)し、学内措置として設置していた自然教育研究農場(林)を統合 |
1996年 | 環境教育湖沼実習センター附属自然環境教育施設竣工(4月) 「湖沼環境教育しがプロジェクト-みんなでつくろう水環境マップ」開始 |
1997年 | 滋賀大学環境フォーラム結成(3月) 教育学部附属湖沼実習施設を環境教育湖沼実習センターに改組(4月)し、学内措置として設置していた自然教育研究農場(林)を統合 The 1997 Shiga University International Symposium “What can education and information systems do to solve environmental problems ?” 開催(11月22-24日) 「琵琶湖総合開発25年を振り返る」(滋賀大産業共同研究センター主催) |
1998年 | 『明日の琵琶湖を考える』公刊 公開講座「環境問題を考える」 “INTEGRATED ENVIRONMENTAL MANAGEMENT : Development, Information, and Education in the Asian – Pacific Region”公刊 |
1999年 | 『びわ湖から学ぶ─人々のくらしと環境』公刊(大学教育出版) |
2000年 | 教育学部環境教育課程設置 JICA「水環境を主題とする環境教育コース」開始(9月) “International Symposium on Water management : Research, Policy, Business and Community”(豪国ディーキン大と滋賀大の共催) |
2001年 | 大学院教育学研究科学校教育専攻環境教育専修設置 |
2003年 | 「地域と大学で創るサステイナブルな社会」開催(於彦根城博物館、3月23日) 『滋賀大学で環境を学ぶ』公刊(3月) 環境総合研究センター設置(4月) 初代センター長 山﨑古都子 就任(4月) “2003 International Symposium on Environmental Management” (タイ・チェンマイ大学と滋賀大学との共催) |
2004年 | 教育学部附属環境教育湖沼実習センターを環境総合研究センター(全学センター)に改組(4月)自然環境教育施設は、教育学部附属施設に。 日韓環境シンポジウム開催(於啓明大学) |
2005年 | 環境フォーラム解散(3月) 日韓環境シンポジウム開催(於滋賀大学、6月18-19日) |
2006年 | 高速水質調査艇「清流Ⅲ」進水式(3月18日) |
2007年 | 第2代センター長 中村正久 就任(4月) 日韓環境シンポジウム開催(於滋賀大学、10月12日) 減災シンポジウム開催(12月15日) |
2005年 | 環境フォーラム解散(3月) |
2008年 | びわ湖・瀬田川オブザベトリ竣工式(2月16日) 文部科学省特別教育研究経費 「持続可能な資源利用と保全を可能とする湖沼流域管理のためのガバナンス向上に関する研究」(平成20-22年度)開始 |
2010年 | 第3代センター長 梅澤直樹 就任(4月) |
2012年 | 第4代センター長 中野桂 就任(4月) 文部科学省特別教育研究経費 「統合的湖沼流域管理においてハートウェア(心・水文化・記憶)が果たす機能の研究」(平成24-26年度)開始 |
2014年 | 研究部門を5部門から4部門に再編成(1月) 「湖沼・流域研究部門」を「湖沼・流域政策研究部門」に再編。 「環境経済研究部門」と「環境政策研究部門」を「環境経済・政策研究部門」に再編。 |
2017年 | 第5代センター長 北村裕明 就任(4月) |
2018年 | 第6代センター長 石川俊之 就任(4月) |
2019年 | 組織改編に伴い、国立大学法人滋賀大学研究推進機構研究プロジェクト推進部門環境総合研究センターとなる(4月)。 |
2020年 | 第7代センター長 宗野隆俊 就任(4月) |
2021年 | 第8代センター長 松下京平 就任(4月) |
2022年 | 第9代センター長 市川 智史 就任(4月) |