本日ここに文部科学省高等教育局専門教育課長黄地吉隆様、彦根市長大久保貴様はじめ関係の皆様方のご来賓をいただき、耐震改修なった滋賀大学講堂におきまして、本学大学院データサイエンス研究科博士後期課程の開設記念式典を挙行できますことは、本学にとりまして、とりわけデータサイエンス研究科教職員、学生一同にとりまして、この上ない喜びでございます。ここに至るまでの皆様のご支援とご厚情に、心より御礼申し上げます。

 皆様には、新型コロナウイルス感染症の状況がなお不安定な中、また本日は足元の悪い中を、この式典にご出席いただき、誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。この式典は、実際にご臨席賜っている方々と、オンライン出席の方々とで、ヴァーチャルながら有意義な形でとり行っております。

 さて、本学は、Society5.0 超スマート社会に入った我が国の新しい進化と発展のために、その中軸となるデータサイエンスの専門家を育成するため、2017年に我が国初のデータサイエンス学部を創設しました。さらに、昨年には棟梁レベルに近い高次のデータサイエンティストを育成する修士課程を設置しました。今や20名を超す専任教員と15名近い新進気鋭の若手研究者からなる国内最高水準のデータサイエンス教育研究拠点として、様々な企業等から優秀な若手技術者の派遣をも受け入れ、オープンインベーションの場としても期待される成果をあげつつあります。

 これまでデータサイエンス学部・研究科は、65件に及ぶ企業や自治体、研究機関との連携協定や120件を超える共同研究等により、社会の生のデータを扱うことができ、PBL演習やインターンシップなどを通じた実践的な教育・研究を進めてきました。そこから企業・自治体等の人材高度化や発展にもつなげています。この教育・研究・社会実装のトライアングルは、他の追随を許さないものとなっています。

 そしてこのたび、1年前倒しで博士後期課程を開設いたしました。わが国の将来に不可欠であるにも拘らず著しく不足しているリーダー・データサイエンティスト、すなわち、データサイエンス分野を牽引し、世界に活躍できるトップ・タレントのデータサイエンティストを養成いたします。それはもはや研究室にこもっているPhDではなく、企業や自治体の現場でも活躍でき、また高度な研究・教育能力も有するリーダーです。

 このように、滋賀大学は、Society5.0 社会を牽引し、統計数理、データサイエンス、AI、コンピュータサイエンスを駆使し、現実社会の様々な分野で新たな価値を創造し発見する、基盤レベルから最高レベルまでのデータサイエンティストを一貫して養成することとなりました。まさにきらきら輝く未来に飛び込むDive into the Futureの意気込みです。

 確かにその矢先に新型コロナウイルス感染症が襲来し、出鼻をくじかれたかのように見えます。しかし実はこれは我々にとって更なるチャンスを与えてくれています。なぜなら、超スマート社会においては、人が、物が、そこに居なくても近くになくても、関係は成立し、コミュニケ―ションをとることができ、価値を創造することができるのです。大学の授業がすべてオンラインになった時、一体教育はどうなるのか、と嘆いた先生や学生も多かったと思います。しかし、実はオンラインの方が教員と学生の距離は近いのです。一人一人の顔がパソコン画面ですぐ目の前にあります。教室よりも質問が多いという声も聞こえます。私はこれこそ「疎にして密」だと考えます。「疎」はphysical distance、「密」はintellectual densityです。距離が離れても、知的な密度を高めることができる。これこそが実はSociety5.0の目指す社会ではないか、と思うのです。

 われわれは、データサイエンスの教育研究において、社会との連携をより密にし、夢のある、活力に満ちた我が国と世界の実現に貢献したいと願っています。

 最後に皆様の今後とも変わらぬご指導とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

令和2年7月4日

国立大学法人滋賀大学 学長 位 田 隆 一

メッセージ

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