68年目を迎えて、新しい滋賀大学が始まりました。

 これまでの滋賀大学は、教育学部と経済学部の二学部で構成されていました。両学部は、一方は滋賀県を中心に優秀な教師を輩出し、他方は、近江商人の流れを汲んで、日本に世界に活躍する経済人を育ててきました。今年度からは、その長く優れた伝統の上に、新たに理系の要素を持つ、日本で初めてのデータサイエンス学部が加わりました。また教育学部にも、教育方法や学校経営に高度な能力を発揮する教員を育成するための教職大学院(高度教育実践専攻)が発足しました。

 特にデータサイエンス学部は、日本の発展に不可欠の人材育成に取り組みます。今や社会生活のあらゆる場で数字、文字、音声、映像など多様で大量のデータが生まれ、集積されています。それを一つの小さな単位から、地域、日本、アジア、世界とつないでいくと、とてつもないデータが集まります。それらを解析すれば、それが予想しなかった新しい価値を創造し、様々な課題を解決していきます。こうした課題解決のための最適な意思決定とそれによる新たな価値創造のできる「データサイエンティスト」の育成は、我が国の喫緊の課題です。滋賀大学はこの分野にチャレンジしているのです。

 しかし、価値創造のためには社会の様々な分野の知識や理解が必要で、人文社会系的な思考と能力も重要です。そこで大学全体として、教育・経済両学部とも協力し、また外部の大学や研究機関、企業や自治体とも連携して、文理融合型の教育体制を構築します。データに基づく未来教育のできる教師やデータの分かるエコノミストも育っていきます。

 他方で、現代は日常のあらゆることが世界とつながっています。そこで、滋賀大学の学生諸君には、地域に根ざしながら、グローバルな視点と思考を身に付けてほしいのです。そのため、今年度から、英語をネットでいつでもどこでも自学自習できるシステムを導入し、また経済学部では英語による専門科目の授業を増します。キャンパスのどこででも英語の世界が展開できる環境を目指すのです。

 学生諸君が、データサイエンス、教育、経済それぞれの分野で、地域に、日本に貢献しつつ、世界に飛躍することを期待しています。