滋賀大学は今年で68年目を迎えました。いよいよ滋賀大学が新しく変わっていきます。

 まず、4月に日本初のデータサイエンス学部が彦根キャンパスに誕生しました。滋賀大学開学以来の新学部です。今や社会のあらゆる分野で、数字、文字、画像や音声など様々な種類のデータが大量に生成、集積されて、利活用が行われ、いわゆる「ビッグデータ」時代に入っています。わが国ではこの分野の人材や統計科学を専攻する人材が非常に少なく、危機的な状況にあります。そこで本学は、わが国の発展に極めて重要な「価値創造のための新たな科学」としての「データサイエンス」の教育研究を行うべく、昨年度から「データサイエンス教育研究センター」を立ち上げ、準備してきた結果、データサイエンス学部の設置が文部科学省から認められました。この新学部では、データの収集・加工・保管(データエンジニアリング)、データ解析・分析(データアナリシス)、そしてデータからの新しい価値の発見と創造(価値創造)のスキルを身につけて、日本の将来を切り拓く若きデータサイエンティストを養成していきます。

 データサイエンスは日本再興戦略2016の中でも、AI(人工知能)、ロボット、IoT(Internet of Things)と並んで、重点領域に位置づけられています。滋賀大学で初めての理系的な色彩を持つ学部ですが、価値創造のためには社会のさまざまな分野の知識や理解が不可欠であり、文科系的な思考と能力が必要です。そこで大学全体として、これまでの経済学部と教育学部とも協力し、また外部の大学や研究機関、企業や自治体とも連携して、文理融合型の教育体制を構築します。

 また、教育学研究科に「高度教職実践専攻」(「教職大学院」)を設置しました。少子化の流れの中で、学校教育はさまざまな困難を抱えています。一つは教育内容の高度化のため、教員自身の能力の高度化・専門化が必要です。またいじめ等に代表される学校運営の課題が大きく、学校経営の専門家の養成も不可欠となってきました。教職大学院ではこうした社会的要請にこたえて、「学校経営力」と「教育実践力」の二つの開発コースを設け、学び成長し続ける高度な力量ある専門職業人としての教員を養成します。

 さらに、既存の教育学部と経済学部においても、上の二つの新しい学部と専攻ができるのをきっかけに、それぞれが長い伝統の中で培った力をさらに伸長しようとしています。特に、データサイエンス学部との連携で新たな教育カリキュラムも組み立てられる予定です。

 他方で、国立大学は批判の嵐の中にあり、厳しい財政状況の下で、「社会の中の滋賀大学」という意識を強くしています。社会的課題解決型・提言型の研究を推進するため、大学が学内外・海外との共同研究や国際的な研究ネットワークの広がりに支援を強化することにしました。研究の面でも世界に伍する滋賀大学に向かって走りはじめます。

 同時に、これまでに築き上げてきた地域との連携をさらに強化するとともに、グローバル化を一層進めていきます。本学の理念の一つは、地域に根ざしグローバルな視野を持つ人材育成です。キャンパスの中でいろいろな国からの留学生が集い、また海外への留学が日常になってくるとき、滋賀大学はさらに大きな飛躍を果たします。そのため経済学部では英語による専門科目の授業を開講し、また全学での英語の自習システムを導入します。滋賀大学の卒業生が、地域の創生や活性化に大きく貢献すると共に、世界のあちこちで活躍できるように支援を強化するのです。

 このようにして、滋賀大学は、「マザーレイク」琵琶湖に映える陽光のように、きらきら輝きはじめます。大きな可能性を秘めた学生諸君と、高い教育研究能力を持つ教員、そして大学を支える縁の下の力持ちの職員が、鼎(かなえ)の三本足のように強力に滋賀大学を発展させていくのです。