リベラルアーツ教育(全学共通教養教育)

令和4年度から全学共通教養教育をリベラルアーツ教育に改革します。

 

未来を創生する新たなリベラルアーツ教育をめざして

 滋賀大学は、これまで全学共通教養科目として行ってきた教養教育を改革し、リベラルアーツ教育を行うことになりました。
 この改革によって目指すことは、学生の皆さんが自ら考え、発想し、自分の道を切り開いていく、生涯にわたって揺るぐことのない精神の軸を育てることと、社会への価値の創出を可能にする人材を育成することです。

 

不測の時代を生きる

 AIなど技術革新が目覚ましく進展・普及し、社会のグローバル化が進む新しい時代が到来しています。しかし、その変化のスピードや姿は予測が大変むつかしく、今後の世界は多様化と流動化を特色とする不測の時代であると言われています。また、こうした複雑化する社会においては、答えのない難問にあふれています。この社会に対応するには、単一の専門領域に関する知見だけでは十分でなく、幅広い知識をもち、様々な角度から物事を考えられる柔軟な創造的思考が必要です。リベラルアーツ教育が、欧米・日本をはじめ世界的に復権しているのは、この創造的思考の育成に有効であるからです。

 

リベラルアーツを学ぶ - 自由人として生きる

 リベラルアーツの起源は、古代ギリシャ時代に遡ります。現在では、リベラルアーツの学ぶ内容は大きく変わっていますが、「人間を自由にする基礎的な学問」という性格を一貫して持ち続けています。なぜなら、リベラルアーツは、人間が奴隷ではない自由で自立した存在であるために必要とされる学問を意味したからです。ここでの「自由」は、人間の精神を種々の拘束や偏見から自由にすることを意味します。ローマ時代にリベラルアーツは、言語に関わる3学(文法、修辞学、論理学)と数学に関わる4科(算術、幾何学、天文学、音楽)の7つの科目からなる基礎的な学問として体系化されていました。
 

リベラルアーツの力

 リベラルアーツという学問は、長い歴史を有し、そこには人類の英知が詰まっています。時代によってそこから何をくみ取るかは様々です。西洋においては、倫理性を高める学問と考えられたり、また論理性を高める学問と考えられた時期もありました。また、国民国家の構成員の共通基盤とされたこともありますし、民主社会の市民のための学問と期待されることもありました。
 現在、リベラルアーツは、欧米・日本をはじめ世界的に復権してきています。その理由は、すでに述べたように創造力の育成に有効であると考えられているからです。それでは、リベラルアーツは、なぜ創造力を育成することができるのでしょうか。それは、リベラルアーツが「拘束や偏見から解き放つ」力を持つことにあります。拘束や偏見から解き放つという試みは、誰もが疑問を感じることなく信じきっている常識を、一度引いた立場で相対化してみることです。この相対化する行為は、常識に問いを発する試みであり、新たな課題の発見と創造の出発点になると考えられます。

 

 

 

 

滋賀大学のリベラルアーツ教育の理念及び分野

新たな理念

 幅広い知識の獲得とともに、豊かな人間性と創造力・構想力を培うことを通して、新時代を主体的に生き、社会の発展に参画する能力を養成する。

 

リベラルアーツを学ぶ3つの分野

 本学では、リベラルアーツの力を身につけるための3つの分野を設定しました。
 〈ヒューマニティーズ〉、〈サイエンス〉、〈クリエーティブ・スタディーズ〉の3分野です。

ヒューマニティーズ

 人文学・社会科学から構成される〈ヒューマニティーズ〉では、過去から現代に至る人間精神の多様な遺産との対話を通して人間や社会への理解を深めることを目指します。ここで大切なことは、物知りになることではなく、書物や学ぶ内容の中に人間の普遍性や通時性を見いだすよう試みることです。こうした試みは人間性への洞察を深めると同時に、歴史と社会の中で自分の現在位置を確認し、「いかに生きるか」を考える基盤をつくります。また、グローバル化が進む現代社会においては、異文化を理解し対話する能力やエネルギー・環境など一国では解決できない問題に関わる背景や要因を深く分析する能力を育成することが必要です。
〈ヒューマニティーズ〉では、人間、社会、国際に関する認識を深めながら、理想の人間のあり方、理想の社会のあり方を思い描く力をつけることを目指します。

サイエンス

 これまでの教養教育では、人文・社会科学が中心で、近年,飛躍的に発展を遂げた科学・技術の成果を取り入れることは多くありませんでした。しかし、「人間」、「世界」の概念は人文・社会科学だけでは覆うことができず、科学・技術の知見抜きには語れなくなっているのが現在です。人間や世界のあり方を探求するには、自然科学からえられるデータや論証が極めて重要になっているからです。本学では、こうした意味で科学の基本的素養を身につけることを大切な課題と考えています。
 また、近年のICTの急激な発展に伴い、データサイエンスが重要な学問になっています。マーケティング、行政、医療、教育、スポーツなどあらゆる分野でビッグデータが蓄積されていますが、その分析結果の有効活用が社会に多大な貢献をなすことが指摘されています。今やデータサイエンスの知識は、文系・理系を問わず学生の皆さんが学ぶ必須の学習内容です。
 もう一つ大切なことは、科学技術の発達がもたらす諸問題についてです。科学技術は、人類に計り知れない恩恵をもたらしますが、一方では環境破壊などの弊害も引き起こしています。こうした諸問題について多角的に分析する姿勢や態度を身につけることも〈サイエンス〉分野の目的です。

クリエーティブ・スタディーズ

 長い間、社会は問題(課題)を解決する能力を重要視してきました。これからもこの能力は必要ですが、21世紀の現代は、問題(課題)を発見・提起することがより重要視されています。特に日本は、問題(課題)を解決する能力は十分にあると考えられていますが、問題(課題)を発見・提起することには、やや乏しいと指摘されています。
 問題(課題)とはどういうものでしょうか。それは、そうありたいという姿に現実が届いていないときのギャップだと考えます。つまり、理想と現実のギャップが問題(課題)となるのです。このギャップを見いだすことが、問題(課題)の発見の源泉であり、そのような能力こそ創造力につながると考えてよいと思います。現在では、この課題発見と創造力が、社会への価値の創出の鍵であるといえます。
 〈ヒューマニティーズ〉と〈サイエンス〉両分野では、人間や社会がいかにあるべきかを考え、また人間や社会の現実を認識する能力の育成を目指しています。〈クリエーティブ・スタディーズ〉では、これらを学んだ成果を統合し、課題探求能力を育成します。具体的には、課題探求の優れた研究のプロセスをたどりながら、問題(課題)の発見にいたるための方法や枠組み、発想の方法を学びます。

 

本学で開講するリベラルアーツ教育科目(全学共通教養科目)の一覧表については、以下から閲覧できます。

※令和3年度以前の全学共通教養科目一覧については、各学部の規程及び履修手引等でご確認ください。

 

 

オンライン授業/ハイブリッド授業が実現する多彩で柔軟な学びのスタイル

 滋賀大学では対面授業を基本としていますが、新型コロナウイルス禍で急速に広まったオンライン授業/ハイブリッド授業の利点を取り入れ、オンラインだからこそできる学び・柔軟で先進的な学びの実現に向けてさまざまな工夫を行っています。

 リベラルアーツ科目(全学共通教養科目)では、彦根キャンパス、大津キャンパス双方の学生がともに履修できるようにハイブリッド授業(対面授業と同時双方向型オンライン授業を併用した授業)を実施したり、一部の科目ではオンデマンド型の授業も行っています。また、教室備付けの遠隔講義システムを利用した授業も開講しています。

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