医学・生命科学の発展は人々に大きな福祉をもたらすと同時に、人間の尊厳と人権を損なう可能性を含んでおり、各国及び国際社会全体が生命倫理の諸問題に関心を持っています。生命倫理国際大学ネットワーク(RUIB)はこうした国際的な議論に貢献するべく2006年にフランス・レンヌで設立されました。フランス語のみを共通言語として、現在17カ国の法学者を中心に、他分野の学者も参加するユニークな国際的で学際的な研究集団として、毎年一回メンバーの国で国際ワークショップを開催しています。位田学長はこのグループの中心メンバーで、2009年の京都(京都大学)に続いて、今回は位田学長の就任を機会に、大学グローバル化戦略の一環として、2016年12月15日~17日に彦根(滋賀大学)で開催しました。

 今回のテーマは「死体と生物医学:国際的アプローチ」でした。今日、医師は、死体解剖、臓器・組織摘出、死体を用いる研究等、様々な場面で死体と関わっています。死については文化的背景が大きく、各国によって取り扱いが異なります。他方で、今日では人体の部分を用いる医学研究が患者の治療に大きく役立っています。また死体からの臓器提供不足は深刻で、臓器売買も現実に行われています。こうした背景から、「死」の定義、死体の医学的利用の制度、その利用の種類(例:臓器摘出とその利用、親子鑑定、組織細胞を用いる医学研究等)とその許容理由等を比較検討しました。

 16か国(論文参加含む)からメンバーの法学者に加えて人類学者、哲学者、社会学者等、計17名が来学し、2日間の濃密な発表・討議に加えて、彦根市長表敬訪問や日本的な死者の弔い形態として仏壇屋の永楽屋見学を行いました。

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