平成28年11月10日(木)、彦根東高等学校において「課題研究 テーマ設定ミニ講義」と題した高大連携授業が開催されました。滋賀大学からは様々な専門を持つ10名の教員や課題研究に取り組む大学生が参加し、高校1年生にアドバイスを送りました。彦根東高等学校の1年生は、10個のテーマから関心のある3つのテーマを選び、ミニ講義を受講しました。課題探究学習を中心にした高大連携を進める上で、良いスタートとなりました。

 

授業概要と高校生へのメッセージ

 

(1)井澤 龍(企業経済学科)

「歴史研究という選択はありか、なしか」

物事の由来を知りたい、過去の事例を参考にしたいと思うことが全く無い人はいないでしょう。宇宙の始まりを知るのも、県庁所在地が大津である理由を探るのも、Google≒ネット検索となった成功例を分析するのも歴史研究です。一方で、自分にとっても他人にとっても知ることが意味を持つ歴史と、そうではない歴史もありそうです。何の差があってそう感じるのでしょうか?そこに良い問い、研究とは何かのヒントがあります。

 

 

(2)坂田 雅夫(社会システム学科)

「経済が国際化してきたことの利点と欠点」

皆さん、10年後に自分がどこに住んでいるか想像したことがありますか? 私の大学時代の知り合いは、今、世界中の様々な地域・国に住んでいます。世界の経済的結びつきが密接になってきていて、日本の大学を出ても、世界中で働くことになっています。このように世界中の経済の結びつきが強くなってきていることをグローバリゼーションと言います。私からは、皆さんの考えるヒントのために、このグローバリゼーションの良い点と悪い点について簡単にお話させてもらいます。

 

 

(3)柴田 雅美(就業力育成支援室)

「Youは何しに彦根へ 外国人観光客の実態を調べる」

インバウンド(海外から日本への旅行者)が年々増え、今年は初めて2000万人を超えました。2020年には東京オリンピックもあり、ますます増加が見込まれるなかで、彦根にも外国人旅行者に来てもらい、楽しんでもらえるよう、ニーズを把握することはとても重要です。
現在、大学生が12チームに分かれて外国人旅行者の同行調査をしています。「彦根に来た理由、何を買って、食べたのか、満足度は」などを突撃インタビューで聞いています。調査期間は11月~1月で、11月15日、12月20日に中間報告、1月24日(火)に最終報告会を予定しています。(時間は10時30分~12時。滋賀大学経済学部 士魂商才館セミナー室Ⅰ)ぜひみなさんも外国人旅行者のインタビューにチャレンジしてみましょう。そして、中間報告や最終報告会にも参加してください。

 

スクリーンに表示して講義する様子

 

(4)滑田 明暢(国際センター/就業力育成支援室)

「外国語で地域のまち・くらし情報を表現する」

彦根で生活をしていると、海外から来日して時間を過ごす人たちを見かけることがあります。今、地図や標識など、様々な情報が外国語で示されていますが、その一方で海外から彦根に来ている人たちの滞在をより豊かにするような情報はまだ眠っている状況といえるかもしれません。この授業では、彦根のくらしやまちについての情報で、まだ外国語では表現されていないものを見つけ出し、彦根市に滞在する人々に嬉しい外国語情報を創り出す企画を考えたいと思います。

 

 

(5)竹中 厚雄(企業経営学科)

「代替品の脅威について」

私たちは普段、企業間で繰り広げられるさまざまな競争をニュースなどで見ることがあります。トヨタやホンダなどの自動車業界の販売競争、セブン-イレブンやローソンなどのコンビニ業界の出店競争、楽天やアマゾンなどのネット通販業界の顧客獲得競争など、いろいろな競争を私たちは見聞きしますし、これらは経営学の研究対象でもあります。
しかし、企業間の競争は業界内部でのみ行われるとは限りません。この授業では「代替品の脅威」という経営学のアイディアを用いて、業界の枠組みを超えた今日的な企業の競争について考えてみたいと思います。

 

 

(6)田中 英明(経済学科)

「ゼミ生のグループ研究発表:商店街の復興策-地域社会の再生のために」

大学のゼミ(演習)では、指導教員の下でグループや個人の課題研究、ディスカッション、学内や他大学のゼミとの対抗戦などに取り組みます。田中ゼミの3回生は、7月頃に「地域社会の再生」というテーマで3~4人のグループに分かれ、共同研究と発表を行いました。今回は、その中から「商店街の復興策」を課題としたグループの学生達にもう一度発表をしてもらいます。短期間で実施した簡単なものですが、グループによる研究の一つの例として参考にしてください。

 

真剣な様子で講義を受ける生徒たち

 

(7)谷上 亜紀(社会システム学科)

「人の行動と心を測る」

皆さんのイメージする『心理学』と大学で教えられている心理学は、たぶん少し違っています。今回はまず、心理学では基本的に①「量的データ」を扱う、②「仮説を立てて検証する」というスタイルをとる、ということをお話しします。そしてさらに、大学生が実際にどのようなテーマを設けどのような研究方法を考案して研究をしているのかについても紹介したいと思います。

 

 

(8)川井 明(データサイエンス教育研究センター)

「データ分析に用いられる様々な情報技術」

身近な最新情報技術に関する話題を提供します。
ますます膨大化しているデータ、ビッグデータが、どのような領域にどのような目的で集められているかを説明します。そして、ビッグデータを分析するために必要な情報技術を説明します。さらに、データサイエンス教育研究センター所属の情報分野教員の取り組んでいる研究分野の話題技術について紹介します。

<情報技術の例>
 ・インターネットの繋がり具合
 ・身近な力学系を“見る”
 ・自動車にまつわる情報技術
 ・数理曲線により作成されるデザインの感性分析

 

 

(9)姫野 哲人(データサイエンス教育研究センター)

「データ分析の始めかたとデータの集めかた」

データ分析に関するさまざまな話題を提供します。
はじめに、データ分析の行い方や注意点について説明します。さらに、インターネットを使ったデータの収集方法について説明します。続いて、データサイエンス教育研究センターの教員による、データ分析に関する話題について紹介します。

<データ分析の例>
 ・気象データを分析してみよう
 ・色々なデータを分類して可視化しよう
 ・地域の人口や産業データの変化を見てみよう

 

 

(10)児玉 英明(高大接続・入試センター)

「問いの型を意識することから始めよう -探究上手の高校生になる-」

課題探究学習では先生が「問い」を作るのではなく、生徒一人ひとりが問いを作らなければなりません。みなさんは「私は○○に関心があります」という問題意識を持っています。例えば「私はSMAPの解散に関心があります」など勉強以外のことでもかまいません。その問題意識を、どうすれば探究の出発点となる問いに変えることができるでしょうか?この授業では、「問い」の型を意識化し、探究上手、質問上手な高校生になるコツを教えます。