平成27年2月12日(木)善利組(せりぐみ)足軽屋敷において、第11回おうみ学術出版懇話会を開催しました。

 この懇談会は、本学ならびに連携大学等による学術出版会の設立に向け、学術成果出版を念頭においた研究報告と本のデザイン検討の場として開催するものです。

 当日は、滋賀県立大学人間文化学部教授の田中俊明氏から「百済の滅亡と近江」をテーマに、以下のような報告がありました。

 “滋賀県は渡来人の多い地域です。県内の数々の遺跡がそのことを物語ります。『日本書紀』などの記述にもうかがえます。北大津には漢氏(あやうじ)が、湖東には秦氏(はたうじ)が多く、百済からの渡来人は、663年の白村江の戦いより前には北大津へ、それ以降には蒲生への移住が知られます。北大津へは技術者を含む一般の人々であったのに対して、蒲生へは王族貴族が多かったようです。それは近江に都が置かれたことと関わりがあります。蒲生の石塔寺の石塔や、日野の鬼室神社にある「鬼室集斯」の墓碑は百済に縁のあるものとする意見もあります。しかし、いずれも今のところ確証はありません。”

 懇話会には、本学出版懇話会の企画運営にかかわるメンバーのほか、滋賀県立大学より川口逸司副理事長のほか、ファッション史研究家の横田尚美氏(人間文化学部准教授)も出席、日・韓・中の諸文献をてがかりに、国境が錯綜していたころの東アジアでの、近江と渡来人の関係を考える機会となり、学術出版会設立に向け、さらに話題が幅広く展開することとなりました。

 

tanakasi

「大津の北ではオンドル遺跡が発掘されましたが、
蒲生ではまだ……」と田中氏

善利組足軽屋敷での“無限”対話

善利組足軽屋敷での“無限”対話