本館所蔵の「アダム・スミスの『哲学的主題にかんする論文集』(1795)」に関する貴重書を展示していますので、ぜひご覧下さい。
貴重書展示コーナーは図書館1Fカウンター前に設けています。

展示コーナー

『哲学論文集』の初版(1795)

本図書館所蔵の経済学の古典(11)

アダム・スミスの遺稿『哲学的主題にかんする論文集』(1795)

 アダム・スミス(1723-1790)の『哲学的主題にかんする論文集』(以下『哲学論文集』と略記)は、スミスの死後、親友であったブラックとハットンにより、1795年に出版された。本書は、「天文学史」、「古代物理学史」、「古代論理学と古代形而上学の歴史」、「模倣芸術論」、「詩形論」、「外部感覚論」から構成され、エディンバラ大学の道徳哲学教授であったドゥガルド・ステュアートによる伝記が添えられている。
 スミスの著作として現在知られているのは、『道徳感情論』(初版 1795)と『国富論』(初版 1776)そしてこの『哲学論文集』である。スミスは、亡くなる直前に自らの手稿のほとんどを焼却することを命じたが、この『哲学論文集』におさめられたものは、スミスが焼却を命じなかった論文である。特に第一論文「天文学史」は、生前出版しようとする意図があったとされる。
 アダム・スミスは経済学の父としてあまりにも有名であるが、スミス経済学の哲学的・思想的背景はいまだ多くの謎に包まれており、研究のさらなる進展が期待される。

本図書館は、『哲学論文集』の初版(1795)を所蔵している。
今回は、バーゼルで出版された『国富論』第4版(1791年)とともに展示する。

Essays on philosophical subjects, by the late Adam Smith ; to which is prefixed an account of the life and writings of the author by Dugald Stewart, Printed for T. Cadell Jun. and W. Davies and W. Creech, 1795.

An inquiry into the nature and causes of the wealth of nations, by Adam Smith, 4th ed. Basil : printed for J. J. Tourneisen and J. L. Legrand, 1791.

(解説:経済学部教授 御崎加代子)