近江商人

 江戸期から明治期にかけて活躍した近江商人。少しの資本と天秤棒を担いで、近江の産物を全国各地へ売る「持下もちくだり商い」、帰路には行商先の産物を上方へ売る「のこぎり商い」をし、成功が見込めれば他国へも出店して販路を拡大しました。行商で集めた情報や薄利多売の戦略、信用第一の姿勢を武器に巨万の富を得ても、生活ぶりは質素倹約。近江商人の理念のひとつ「しまつして、きばる」という言葉が象徴するように、無駄をはぶいてものを使いきり(しまつ)、勤勉に働くこと(きばる)で利益を増やす精神を貫きました。

 近江商人の心得に「三方よし」という言葉があります。三方とは売り手、買い手、世間のこと。売り手と買い手が満足し、世間のためにもなる商売をするという意味が込められ、現代企業におけるCSR(企業の社会的責任)の源流ともいえる考え方です。平成15年には三方よしの精神を滋賀県の産業振興に生かそうとNPO法人三法よし研究所が設立。現代の経営者が実践する三法よし経営を紹介し、「なるほど三法よし講座」などを開催しています。