4月初旬、ソメイヨシノやヤマザクラが一帯を薄紅色に染める三井寺と琵琶湖疎水(大津市)、参道に見事な桜のアーチができ、「花の寺」として親しまれる石山寺(大津市)、11月初旬になると3000本もの紅葉や楓が一斉に色づく日吉大社(大津市)。他にも彦根城(彦根市)や海津大崎(高島市)の桜、永源寺(東近江市)、金剛輪寺(愛荘町)の紅葉など滋賀には絶景が楽しめる名所が数多くあり、見ごろを迎える頃、「今年はどこへ行こうか」と人々の心をはずませます。

 桜、紅葉に彩られる史跡・名刹の数々。その景観の魅力は観光地化されていない、日常的な佇まいにあります。京都では戦国時代以降に造られた建築物が多いのに対し、滋賀では戦国時代をくぐりぬけた中世以前の建物が多く、寺や神社が街中に溶け込むようにあるのが特徴です。歴史的遺産と日常が調和した景色からは土地の素顔が感じられ、往時と現代が交錯するような不思議な魅力があります。