『滋賀大学教育研究支援基金』
設立趣意書

国立大学法人滋賀大学長

 平常より滋賀大学に対し格別のご支援を賜わりまして、心より感謝申し上げます。

 国立大学は平成16年4月法人化され、国からの運営費交付金と、学生納付金および外部の競争的資金や寄附金等の自己収入を確保して大学経営を行うこととなりました。大学は中期目標と中期計画(1期6年間)を策定し、計画の達成実績の評価を受け、評価の如何が次期の運営費交付金額に影響するという仕組みです。国立大学は、一方で経営の自主性を有しながら、他方では計画遂行と財源確保という経営責任を全面的に担う存在となりました。かつての国立大学は経営の自主性がなく、内発的な活力の程度も決して高くありませんでしたが、法人化は、経営の自主化と社会評価によって大学発展の内発的活力の活性化をはかり、社会に貢献する大学づくりを促進することをねらいとしています。加えて、今後の大学経営の条件はきわめて厳しく、競争の中で21世紀を生き残りさらに発展を成し遂げる経営戦略の展開が求められています。
 その最大の問題は、少子化で大学志願者数が大幅に減少していくことです。日本の人口は少子化の影響で2050年には9,515万人にまで減ると予測されています。すでに私立大学は4割が定員割れを起こし、一部で破綻も発生しています。国公私立を問わずいまや大学間で志願者奪い合いの熾烈な生存競争が始まっています。本学は、これまで「良質の教育」による「優れた人材の育成」を社会に約束して高い評価を得てきましたが、大学のブランド力をいっそう高めて競争を勝ち抜き、30年後50年後においても社会からの高い評価を失わないサステイナブルな大学でありたいと考えます。
 また、グローバルな知識基盤の時代といわれる21世紀は、高等教育と先端的な科学技術研究が国家の国際戦略を担っています。こうした21世紀の高等教育と科学技術の位置を踏まえて、本学は学部・大学院教育を国際的な通用性と信頼性に応えるものとし、また産学公連携によって地域への社会貢献の拠点となる大学にしていかなければなりません。とくに本学においては、教員養成に関する専門職大学院の設置、国立大学として最大規模の経済学部の教育改革と社会ニーズに対応した再編、環境総合研究センターや産業共同研究センター、地域連携センター、国際センターなどの役割の強化、近隣の大学との教育研究面での連携などが課題と考えています。
 これらの課題にチャレンジしていくために、本学では教育研究にかかる先行的投資と財政経営基盤の強化が求められています。しかし、わが国の政府公共部門は800兆円という借金を抱え、国立大学法人に対しては運営費交付金を毎年1%削減しているのが実情で、今後政府予算に頼って財源を確保していくことは期待できません。そのために、滋賀大学は財政計画を策定して人件費抑制や外部資金獲得に積極的に取り組んでいますが、このたび財政基盤のさらなる強化、拡充に対し大学OBを初めとする広範な大学関係者の方々にご協力をお願いするため「滋賀大学教育研究支援基金」を設立しました。
 つきましては、基金設立の趣旨にご理解とご賛同をいただき、特段のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成19年4月