平成25年12月20日(金)彦根市の天寧寺において、第6回おうみ学術出版懇話会を開催しました。

 この懇談会は、本学ならびに連携大学等による学術出版会の開設に向け、学術成果出版を念頭においた研究報告と意見交換の場として開催するものです。

 当日は、本学経済学部教授の金子孝吉氏から「英国人水彩画家パーソンズが見た明治25年の彦根」をテーマに報告がありました。アルフレッド・パーソンズAlfred Parsons(1847-1920)は、日本美術界にも大きな影響を与えた人物で、1892年(明治25年)に来日し、当時の日本の様子を描いた美しい作品を残しました。植物をこよなく愛していた彼の画風は、植物と風景を組み合わせ、それらを精密に描き出すもので、日本滞在中に描いたものでは、ツツジやユリ、竹など、日本人なら、ありきたりのものとして見過ごしそうな植物も、多く題材に取り上げています。彦根に滞在したパーソンズは、他の訪問先での体験とは異なり、土地の人々との深い交流を結び、また天寧寺では“私がこれまで見た中で最も愛らしい花”と称するササユリに出会ったりと、まさに彦根は格別の土地となったのではないかとのこと。また、当日は、パーソンズが彦根滞在中に宿泊していた天寧寺の書院や十六羅漢石像も見学し、パーソンズが描いた風景と現在の様子の違いなどを考える機会にもなりました。明治中期の彦根の様子をヴィジュアルに詳しく伝える資料が少ない中、パーソンズの写実的な絵は、貴重な手がかりとなるとの評価も示されました。

 懇話会には、本学出版懇話会企画運営作業部会のメンバーの他、滋賀県立大学より川口逸司副理事長、天寧寺ご住職の山路信乘氏およびご家族も出席、和やかな雰囲気の中、当時の様子に思いを馳せながら、多彩な意見交換が展開、学術出版会設立に向け、さらに邁進することとなりました。

報告者、金子氏

報告者、金子氏

懇話会風景(天寧寺御茶所)

懇話会風景(天寧寺御茶所)

金子氏(左)と山路住職(右)

金子氏(左)と山路住職(右)

天寧寺の十六羅漢さんに見守られて

天寧寺の十六羅漢さんに見守られて