本館所蔵の貴重書ジェヴォンズ『経済学の理論』と、ワルラス『純粋経済学要論』を展示していますので、ぜひご覧下さい。
貴重書展示コーナーは図書館2F第2閲覧室入口手前に設けています。

展示コーナー

御崎先生による解説

ジェヴォンズ『経済学の理論』

ワルラス『純粋経済学要論』

本館所蔵の経済学の古典(3)

限界革命の経済学-ジェヴォンズ『経済学の理論』とワルラス『純粋経済学要論』

 限界革命とは、1870年代のはじめに、イギリスのジェヴォンズ(William Stanley Jevons, 1835-1882)、スイスのワルラス(Léon Walras, 1834-1910)、オーストリアのメンガー(Carl Menger, 1840-1921)の三人が、それぞれ独立に、限界効用理論を経済学に導入し、それをきっかけに、経済分析の方法全般に革命的な変化が生じたことを指す。とくにジェヴォンズとワルラスが使った数学的な手法は、それ以降、経済分析の主要な方法として定着していったのである。
 ジェヴォンズは、『経済学の理論(The Theory of Political Economy)』の初版を、1871年に出版し、限界効用理論を世に知らしめ、イギリス古典派の時代にピリオドをうった。
 ワルラスは,限界効用理論の発表については、ジェヴォンズに先を越されたかたちとなったが、そこからさらに進んで一般均衡理論を完成させ、主著『純粋経済学要論』(Eléments d’Economie Politique Pure)(初版1874⁻77)を発表した。ワルラスの一般均衡理論は、すべての市場参加者の満足の極大化と、すべての市場における需給の均等を、連立方程式で表現したものである。このワルラスの貢献によって、現代の経済理論の基礎が築かれた。
 本図書館は、ジェヴォンズの『経済学の理論』の第2版(1879年)とワルラスの『純粋経済学要論』の決定版(第5版)(1926年)を所蔵している。

Jevons, W.S., The Theory of Political Economy, Second Edition, London, Macmillan, 1879.
Walras, L. Eléments d’Économie Politique Pure, Edition définitive, Paris, R.Pichon et R.Durand-Auzias, Lausanne, F.Rouge, 1926.

(解説:経済学部教授 御崎加代子)