「それぞれの彦根物語」第34回が、5月26日(土)、ひこね街の駅「寺子屋力石」(滋賀大学街なか研究室)にて開催されました。

 『彦根物語34』は、筒井正夫経済学部教授が「彦根近代化の立役者『幻の彦根製糸場』」というテーマでお話されました。

 明治期の彦根の課題は、城下町近代化と士族授産、殖産興業、産業(金融)振興であり、その中心となったひとつが「蚕糸業」でした。
 明治8年ころから「彦根製糸場」設立の準備が始まりました。例えば以前より群馬県(上州)とは近江商人、近江麻布等で関係が深く、「富岡製糸場」へ彦根士族子女を就職させ、その技術を学んでいます。
 「彦根製糸場」は明治11年に開業され、展開されていきますが、明治35年には閉鎖され、「幻の彦根製糸場」となってしまいました。
 しかしその意義は大きく、滋賀県一円さらに近畿へと近代的製糸業の普及に寄与し、養蚕振興の「学校」の役割をにない、後の近江絹糸紡績の興隆へ導き、製糸カランの発注により地元にバルブ業を興すことになりました。

 参加者は「彦根製糸場」について知ってはいたものの、歴史背景の中で詳細な「彦根製糸場」の成立ちを聴くことができ、彦根の明治期に思いを馳せていたようでした。

筒井経済学部教授

筒井経済学部教授

参加者との談話の様子

参加者との談話の様子